人間を見る力を鍛えるには

前回書いたように、人間の行動基準を頭に入れて、なおかつ識別できれば、対人折衝ではとても役にたちます。

これは大ざっぱにいって10種類あるのです。その基本的な考え方を示したものが、11月に発売予定の

『リーダーの人間行動学――人間を見る力を鍛える」(鳥影社)

この立読みを準備しました。一部ごらんいただけます。こちらから

前回述べた基準のうちのひとつ、毀誉褒貶(名誉心、世間の評判が気になるタイプ)について簡単に触れてみましょう。

実はこのタイプには2種類あります。裏と表みたいな感じなのです。ちなみに、ほかのタイプも全部そういうのがありますので、全部では5X2で10種類あります。

そのうちの一つ、1種というのですが、このタイプは背の高い人が多いです。そして体つきは長細い感じがします。

特に首に特徴があって、首がにょっきりはえているという感じです。写真を見てもらうといちばんいいのですが、下手に人の写真を出すと肖像権とか問題があってだしにくい。

日本人にはあまりおりません。ドイツ人には多いそうです。典型は指揮者のフルトヴェングラー。この切手の写真なんか、首がすごいでしょう。

首が太くて発達していると言うことは、脳が活溌に働くということです。

感情よりも理論で物事を考えるタイプです。将棋棋士の羽生さんあたりは、もしかしてこのタイプかもしれません(裏の2種かもしれませんが)。

だいたい、学者に多いです。頭がいいのです。そのぶん、運動能力は劣る。何かやる前に必ず考えますから、とっさの動きができない。これでは名選手にはなれません。

毀誉褒貶(きよほうへん)に敏感ということですが、これはまわりの評価に非常に敏感に反応するということです。

まわりがどう見るかということがとても気になる。

だから、ある人に親切にするときでも、その人に親切にするのではなく、まわりの人が自分の行為をどう見るか、世間がどう見るか、という視点で行動が起きます。