ほめるリーダーはリーダー感覚がすばらしい

今日は拙著「リーダー感覚」のなかにある、「人をほめる訓練」について私の考えを述べてみます。

「リーダー感覚」では、人をほめる訓練をリーダーシップ力向上の基本と考えています。

リーダーというのは人に仕事をしてもらわなくてはならない立場であり、そのためには他人に関心をもたざるをえないのです。

ところで、人をほめる訓練というのは、いやでも人に関心をもつわけです。そうでないとほめてもききませんからね。

ということで、特に初心のリーダーには、私はほめることを実践するよう、口を酸っぱくして言っております。

さて、このほめる訓練をしていく過程で、何をほめたらよいかという疑問が、たいていの人はわくと思います。

ここからが人間行動学の出番です。

相手を見て、ほめる内容を変える。人間行動学を学べば、ほめるべき内容がすっと浮かぶようになります。

たとえば、麻生元総理。このかたには、あまりほめる内容を考える必要はありません。内容などどうでもいいから、ひたすらほめればよい。捻れ型タイプというのはそういうお人よしのところがあります。

在職中は、ただ叩かれるだけの状況でしたから、麻生さんはなかなか力が発揮できなかったでしょうね。

小泉さんのような前後型はどうでしょう。現実主義者、合理主義者ですから、そこをほめるのは定石。しかし、ほめる内容というのは相手が予想しないところを突いたほうがいいときがあります。サプライズということ。

たぶん、日ごろから「合理的な判断がすごい」などとあの人はほめられていることでしょうから、そういう人にはオヤと思うようなことを言うべきでしょう。

たとえば、「合理的な判断の内に実は熱いハートがある」などと言われたら、木に登りだすかもしれませんよ。

福田さんなんかはどうでしょうか。あの人は上下型傾向が強いように見えますから、ほめても「フフン」と鼻で笑うだけかもしれません。

ノーベル賞を受賞された益川先生も、公衆の面前でほめられると、嬉しくもないという顔をしていました。こういうのは上下型の特徴です。

こういう人たちには、面と向かってほめても駄目なようです。ただ、益川さんは師匠のような存在の南部先生がノーベル賞を同時受賞されたのを聞いて涙ぐんでいたらしいですね。

ですから、こういうタイプには、彼が尊敬する「師匠や先輩が喜んでいた」と間接的に言えばよい。これでほめたことになる。というか、気分をよくする。

忘れてはいけないのは、ほめることが最終目的ではないということ。リーダーにとって、要は気持ちよく仕事をしてもらうことが目的です。

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