行動分析のポイント

行動分析のポイント

行動観察において得られた情報を分析し、相手がどのような人間であるかを分析していきます。

これには少なくとも二つの知識が必要です

★感受性の理解
これは、個人の行動基準、個人の行動価値基準を分析する方法です。

参考:感受性について

感受性分析という言葉は耳新しいと思いますので、簡単にご説明しておきましょう。

これは野口晴哉という人物――療術界の天才と言われ、今日の「整体」という言葉を創りあげた人です――が、人間観察からまとめたものです。『体癖論』と呼ばれています。 
 
体癖論では、人間のタイプを十種類に分類しています。人間の腰椎は5つありますが、どの骨に重心がかかりやすい体型をしているかで、人間の性格や行動価値観が決まってくるというのが体癖論の骨子です。

ただ、この十種類のタイプは、実は色でいえば原色のようなもので、実際には何種類か混じった人がほとんどです。そこで、どの色が特に濃いかを見ていくわけです。

細かいことをここで述べるわけにはいきませんが、極めて大雑把に言うと、腰椎1番のタイプは上下型と呼ばれ、頭脳に影響が出るタイプです。したがって、このタイプの行動は、理性と強く関係します。またこのタイプはたいへんに毀誉褒貶に敏感だと言われます。世間の評判が気になって仕方ない。そこで、ある行動をしようとしたとき、世間がどう見るか、ということが行動基準になるわけです。

腰椎2番のタイプは左右型と呼ばれ、消化器に影響が出るタイプです。消化器は感情と密接な関係があります。つまり好き嫌いが非常に激しいということです。何事も感情として受け止めてしまいます。

なお、左右型と言われるくらいですから、左右運動がよく出ます。重心が左右どちらかに大きく偏ります。

腰椎3番のタイプは捻れ型と呼ばれます。ここは泌尿器と関係が深く、性格的には闘争心と深く関係しています。

腰椎3番は体を捻る運動をつかさどるため、闘争時に人間は体を捻って戦います。ですから、このタイプは負けず嫌いで、何事も勝ち負けで考える傾向が強いのです。

腰椎4番のタイプは開閉型と呼ばれ、ここは生殖器と関連が深いところです。骨盤の開閉運動が得意なタイプで、愛憎に非常に敏感です。

腰椎5番のタイプは前後型と呼ばれ、呼吸器に影響が出るタイプです。前後型ですから、運動特性は体を前傾したり後傾しやすい人がこのタイプです。このタイプは、非常に合理的で、損得勘定がしっかりしています。また打算的な傾向が強いといえます。

これはほんの一部の内容です。体癖論は実は厖大な研究が背景にあります。人間理解の勉強にはとても有益な理論です。

★立場の分析
組織や団体の影響が、個人の人間行動にどう反映されるかを分析することです。

これらについての概説は、12月初頭に発売される『リーダーの人間行動学――人間を見る力を鍛える』(鳥影社)にまとめておきましたので、ご一読ください。

この立読みを準備しました。一部ごらんいただけます。こちらから


なお、本に書いてある内容は基本な考え方ですので、感受性の理解については、もう少し突っ込んで学ぶ必要があると思います。

L研リーダースクールでは、e-book『行動分析の手引』という資料がありますので、それをお読み頂くとよいでしょう。L研クラブ会員に無料でおくばりしています。

また、さらに深く学びたい方はL研クラブにご登録頂き、私とともにご一緒に勉強していければと思います。

                                                                                                                    • -

人間の行動基準(感受性)は大ざっぱにいって10種類あります。それを頭に入れ、なおかつそのタイプを識別して、対人折衝にあたれば、指導は非常に効果的になります。
こちらから