人間を見る力を鍛えるには
人間を観る力をつけることは、リーダーシップを発揮するうえで不可欠なものです。このことは、いまさら言うまでもないでしょう。
たとえば、あなたが部下のことをどんな人間かよくわかっていれば、部下を適切に指導できるでしょう。
また、あなたが上司のことをよく理解できていれば、上司の要求にどう対処したらいいかよくわかるはずです。
もし、あなたがお子さんのことをよく知っていれば、コミュニケーションがうまくとれるでしょう。親と子供では行動基準や価値観が違いますので、自分と同じつもりで話すととんちんかんなことになるのです。
それだけではありません。もし、初対面でもお客さんの好みが察知できれば、お客さんとの対話はもっとスムーズになり、営業成績も上がります。
では、そのような人間を観る力、人間に対する理解力をつけるにはどうしたらよいのか、どのような訓練をすればよいのでしょう。
人間を観る力をつけるためには、常日頃より人間を観察する習慣をつけることが大事です。
しかし、初心者にとって、これはなかなか難しいことです。まず、どのようなフレームワークで観察したらよいかがわからないと思います。
今日は、簡単な例を示すことにしましょう。
◆上司の好む計画書のスタイルあれこれ
ある営業の話です。
ここの営業所長は、営業マンがオフィスにいると所長は不機嫌になるのです。
訪問計画書をさっさと書いたら、すぐに外回りをしないといけない。
とにかく行動せよ、というのがこの所長の考え方でした。
この営業所に新任の所長が異動してきました。
今度の所長は、とにかくきっちりした計画書をつくらせるのが好きでした。
しかもそれぞれについて微に入り細に入り質問するのです。
その質問がまたねちっこい。
そんなことを聞いて所長はそれを何に使うのか、みんな不思議に思うのですが、それがわからないと所長は不安らしいのですよ。
おかげで営業マンは外回りをする時間がとれない、とぼやきだしました。
前の所長は、計画書や報告書は薄ければ薄いほどよいと言っておりました。
ところが、今度の所長は計画書や報告書に不備がすぐ目に付く。
こんなに違うので、みんな面食らっています。
◆人間の感受性には大ざっぱに10種類ある
感受性とは、価値観といってもよいでしょう。
人間の価値観は5種類に分類できます。
・毀誉褒貶に敏感なタイプ(名誉にうるさい)
・好き嫌いに敏感なタイプ(感情的で好き嫌いだけに関心がある)
・合理性・現実性に敏感なタイプ(損得勘定にたけている。利害得失に敏感)
・闘争に敏感なタイプ(常に勝ち負けでものごとを考える)
・愛憎に敏感なタイプ(相手の愛や気持ちに敏感)
先ほどの営業所では、前の営業所長は3番目の合理的、現実的なタイプです。
また、新任の営業所長は1番目の毀誉褒貶タイプです。
それぞれのタイプについては、より詳しい解説が必要ですが、これを知れば、どんな体型で、どんな体の強み、弱み(ある種の病気に弱いなど)がわかります。
整体の創設者(現在の整体と言う言葉をつくった人でもあります)野口晴哉が創りあげた「体癖論」には、身心一如の人間分析がなされています。
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人間の行動基準(感受性)は大ざっぱにいって10種類あります。それを頭に入れ、なおかつそのタイプを識別して、対人折衝にあたれば、指導は非常に効果的になります。これらについての概説は、12月初旬に発売される『リーダーの人間行動学――人間を見る力を鍛える』(鳥影社)にまとめておきましたので、ご一読ください。この立読みを準備しました。一部ごらんいただけます。こちらから
こちらの研修講座も参考にしてください。
こちらから