人間分析力がつくと戦略眼も養成される
私が戦略案を構築するようなときには、こういう具合になります。
[人がどう動くか考える]→
[組織がどう動くか考える]→
[その組織や外部環境をどう変えるか考える]→
[その結果として戦略を立案する]
もちろん、現実にはこの順序どおりではなく、行ったり来たりはします。
ただ、人がどう動くだろうかと考えることが、私の出発点であることは間違いありません。そして、このときベースになるのが人間行動学です。
それから、戦略としては『伝動戦略』という戦略概念を提唱しています。そういう本を私は出しております。
この戦略はシステム論的なのです。
まず、全体システムのなかでサブシステムをとらえ、それらの相互作用を非常に重視します。
あるシステムを動かすには、サブシステムをどれか動かせば結局システムは変えられるということです。それは、サブシステム間に相互作用が存在するからです。
そして、直接サブシステムを動かさなくても、遠くのサブシステムに働きかけ、その相互作用で順次ターゲットに働きかけていくことができます。
イメージとしては、玉突きゲームを考えていただければよいでしょう。
ある球をつきそれが別の球に当たり、さらにそれがまた別の球に当たり、それを繰り返していくと、ターゲットの球に当たる、という具合です。
たとえば、今の北朝鮮の問題を考えてみましょうか。
システムとしては東アジアを想定しましょう。
サブシステム(システムの構成要素)には、とりあえず6カ国を考えます。
日本、韓国、アメリカは非常に相互関係が強い。
北朝鮮と中国も相互関係が強い。
ロシアは両陣営からやや遠くなっています。以前は北朝鮮よりでしたが、最近北から離れる徴候があります。
ロシアは北の砲撃を非難し始めました。
なぜ、こういう行動をとりだしたのかというと、サハリンの天然ガス開発に西側、特に日本の技術が必要だからだそうです。
また、北とつきあっていてもあまりよいことはなさそうに思いだしたのかもしれません。
北がウラン濃縮施設をいくつももっているらしいことが発覚し、危険を感じだしたのかもしれません。
さて、玉突きのターゲットは北朝鮮です。どう動かすか。
たとえば、中国を動かし、それで北を動かすことが考えられます。
その場合、何を材料に使うか。武力でなくても可能なわけです。ロシアが日本の技術に動かされたようにですね。
彼らの欲しい物を与えるから協力してね、ということも考えられます。
逆に嫌がることをするから協力してね、と言うこともできますね。
みなさんが抱えている問題も、こんな発想で一度考えてみたらいかがでしょうか。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
新刊『リーダーの人間行動学――人間を見る力を鍛える』(鳥影社)は出荷が遅れていて、アマゾンではすでに在庫切れが生じ販売停止状態現在販売再開です。
楽天ブックスでは購入できます。
またL研リーダースクールでは先行販売を開始しています。このサイトでご購入者いただいか方にはプレゼントがありますこちらから
L研リーダースクールでは立読みを準備しました。こちらから
ネット書店では、どこでも購入できるようになりました。