リーダーの人間行動学と伝動戦略(2)
昨日ご紹介した伝動戦略のイメージ図を示しましょう。
あるシステムのなかにあるサブシステムを動かす。するとその相互作用で別のサブシステムが動かされ、その動きが次々と連鎖反応を起こし、最後にはターゲットに到達する、という戦略です。
この場合、赤いブロッカーといたずらにぶつからず、それを回避しながらターゲットに到達できるのです。
たとえば、大将を倒すということを考えたとき、大将が乗っている馬が眼に入る。
すると、まず馬を狙えばいい、ということがわかります。
「将を射んとせばまず馬を射よ」という伝動戦略がここに誕生します。
似たようなことを源義経が壇の浦の海戦で行っています。
当時は、船の櫓をこいだりする人間は兵隊ではないので、攻撃してはならないという慣例がありました。
ところが、義経はタブーを破り、水夫に狙いを定めて矢を射ったのです。
さて、先ほどの図を見ていると、さらに新しいサブシステムを組み込んだらどうか、ということも考えられます。
昨日の「中国を動かす」という例を考えると、
システムの最初の定義である東アジアに、外にあるモンゴルをサブシステムとして取り入れたらどうか、といったことも思い浮かびます。
あるいは、ダライラマだったらどうか。
新疆ウイグルだったらどうか。
網民(ネット市民)はどうか。
いろいろなサブシステムが、中国に影響を与えています。そのような影響力を活用すると、中国がどう動くか、なかなか興味がわきますね。
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