リーダーの訓練では、リーダーシップが身につく訓練がよい
本やセミナーで学ぶのは理論ですね。野球にたとえれば、バッティング・フォームの解説書のようなものでしょう。
それを読んだだけで、いきなり公式戦に出て、ピッチャーの球を打てといわれても、それは無理というものです。
それなら、どうすればよいか。野球なら「まずは素振りをしなさい」といわれるはずです。
それで、素振りをある程度こなしたら「緩い球を打つ練習をしなさい」とアドバイスされるでしょう。
私は、リーダーシップの訓練でも「素振り」が必要だと思っています。いきなり、実戦で球を打てといったって、経験の少ない人には荷が重すぎます。
要するに、リーダー感覚をまず高めてから、リーダーシップを発揮しなさい、ということです。
そして、これは頭で考えるだけでなく、身体感覚として身につけるべきだと思うわけです。勉強をするときは、文字どおり、身につけることが大事です。
ですから、私の訓練方法では、身体、特に眼と口を十分使っていただきたいと思います。
では具体的にどうしたら「素振り」ができるでしょうか。いちばんよい方法は、リーダーになる前から、リーダーの「素振り」をすることです。
「エーッ、リーダーになる前から、なんでリーダーの練習なんかできるんだよ」と驚いてはいけませんよ。これは頭の問題。もっと柔軟に考えないとね。
それには、ほめる訓練をするのがいちばんよいと、私は経験上申し上げたい。
なぜ私がリーダー感覚養成のためにほめる訓練を選んだかですが、この方法が優れているのは、自然に人を観察するようになるからです。
その人のよいところを見つけようと、虎視眈々と狙っていくわけですから、いやでも相手のことに関心を払わないわけにはいかなくなりますね。
また、ほめるときは、相手にとって最適な言葉を選ぶ必要がありますが、それには相手の心がある程度わからないといけません。
ですから、相手の気持ちを察する訓練にもなるわけです。
それから、もしほめ言葉がピッタリであれば、ほめられた人は喜んでくれるでしょう。
そうなると、こちらとしてもたいへん嬉しいし、愉快になりますね。つまり、相手が喜ぶことで、自分も喜びを感じることができるわけです。これが共感です。
ほめる訓練は、人間関係の機微がよくわかると同時に、人を指導する喜びも味わえます。この喜びの感覚こそ、リーダーが知らなければならないリーダー感覚なのだと私は思っております。(詳しくは拙著『リーダー感覚』にあります)
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