上達するかどうかは、感覚があるかないかだ
「リーダー感覚」とは聞き慣れない言葉だと思います。ですから、「早く説明してくれ」と、みなさんおっしゃりたいはず。それは重々承知しておりますが、その前に「感覚」について、ちょっと考えてみたいのです。
物事を習うとき、急激に伸びる人もいれば全然伸びない人もいます。なぜこんなに差がついてしまうのでしょうか。私は、感覚があるかないかの違いではないか、と考えています。
ラーメン店の店主を例にとって、説明してみましょう。
ずいぶん前のことですが、はやらないラーメン屋の店主たちが、大手のラーメン店に弟子入りして修行する様子をテレビで放映しておりました。
長い研修期間が終わり、弟子たちは晴れて修了証書を手に入れましたが、そこにたどりつくまでの修行はたいへん厳しいものでした。残念ながら、途中で脱落した人もおりました。また、なんとか無事に修了でき、念願のお店を開いた人でも、一年後にお店を訪れると、閑古鳥が鳴いているケースがありました。
はやらなくなった店のラーメンを食べてみると、案の定、修行したお店の味とは似ても似つかない味に変わっていたのです。厳しい修行をして、せっかく一流店の味を覚えてきたのに、どうして元の自分の味に戻ってしまったのでしょう。
私の考えでは、彼らは習ったとおりにラーメンをつくる必然性を感じていなかったのです。そのため、料理の途中で、面倒な部分、たとえば、だしをていねいにとるといった手続きをはしょってしまったのです。
では、どうして彼らは手を抜いてしまったのでしょうか。それは、手を抜いても別にまずいと感じなかったからです。ラーメン屋としての舌が育っていなかったために、全然気にならなかったのです。
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