リーダーのコミュニケーション能力向上のための通信教育講座
チームの士気を高める方法は二つくらいしかないと思います。
第一は、“美しい”ゴールの提示と、それを実現していくためのプロセスの提示です。たぶん、スティーブ・ジョブズは、それがとても上手だったのでしょう。
みんなだいたい後者が弱いんです。ゴールを提示しても実現までのプロセスを描ききれないんですね。日本の政治家など、まさにこれです。
ゴール到達までのプロセスを描ききれないようでは信は得られません。TPPなどはその典型。
(このあたりのプロセスのたて方については、拙著『暗示型戦略』をお読みいただければ良くご理解いただけるでしょう)
もっとも、ゴールもよく見えませんね。TPPは国家戦略の下のひとつの手段にすぎませんからね。
国家戦略というゴール自体があるのかないのか。
そう思っていたら、今頃になって国家戦略会議をやるだって。
当面のテーマは、経済成長と財政健全化の両立を図る「日本再生戦略」の策定で、基本戦略を12月にまとめ、来年半ばに具体策を含めた戦略を決定する予定だ。環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加についても協議する」
泥縄もいいところ。
来年半ばに何かが出てくるんでしょう。その前にTPPをどうかするっていうんですから、バカみたい。
戦略がなくて、戦術ばっかり論議しているなんざ、戦前の日本と同じだね。
政治家の無能、マスメディアの無能、法曹界の無能、役人の省益優先の態度。
いいかげん勘弁してくれと言いたくなりますね。
◆もうひとつの方法
リーダーがチームの士気を高めるもう一つの方法は「自発性を発揮させる」ことです。
そういうことができる組織環境を整備するということですね。
ただし、これはマネジメントの仕事であって、リーダーの仕事はこれに加えて、個々の人間にふさわしい働きかけをすることが必要になります。
リーダーとマネジメントの違いはこのあたりでしょうね。
仕組みさえつくれば、あとは全部うまくいく、というわけではありませんからね。
そこで「リーダーの人間行動学」、特に感受性の分析を学びなさいよ、ということなんですね。これがコミュニケーションと大いに関係します。
リーダーとして、個々の人にどう向き合えばいいかがわかりますから。
口は達者だが責任を与えようとすると腰が引ける人、いつも逆らってばかりいる人などなど、いろんな人がいますから、そういう人への対策も考えないといけません。
ということで、人間の行動基準をリーダーは学ばないといけませんね。
久しぶりに拙著『リーダーの人間行動学』からクイズを引用しましょう。新しい読者はまだご存知ないでしょうから、すでにお読みいただいた方には我慢していただいて。
◆難破船のクイズ
以下は有名なジョークである。これを読んであとの質問を考えていただきたい。
船が難破して、乗客がボートに乗り移ってきた。だが、ボートはこれ以上人を乗せることができない。誰かが海に飛び込んで岸まで泳がなければならない。どうやって説得するか。
イギリス人にはこう言えばよい。
「ジェントルマンらしくしてくれ」
ドイツ人にはこうだ。
「船長の命令である」
イタリア人にはあえてこう言う。
「君は飛び込むな」
アメリカ人にはどうか。簡単である。
「保険に入っているから大丈夫だ」
そして、日本人にはこうなる。
「ほかの皆さんも、飛び込んでいますよ」
★クイズ
各国の国民性から、彼らがどんな行動基準をもっているのかを考えていただきたい。
このクイズに簡単に答えられる人は、名リーダーの素質があります。それぞれの国民性は、人間行動の基準になっているからです。
詳しい解説は拙著をお読みいただきますが、本で紹介しているのも実は一部だけです。
11月12日(土曜日)午後2時から4時半まで、東京銀座にてセミナーを行います。上のような問題を解説したりしますので、お時間のある方はぜひお出でください。
さて、セミナーとも関係しているのですが、L研リーダースクールではカリキュラムを改定いたしました。
これは通信教育ですので、東京近郊以外の方が受講可能ですし、自宅など勉強の場所や時間を選びません。また、学校のように開校時期がありません。いつでも始められます。
今回の改定では、動画をかなりとり入れています。テキスト教材は私の本ですから、内容はしっかりしています(ほんとよ)。本の内容に沿って演習問題を組み立てています。
従来、コミュニケーション科では、ほめる技術や認める技術だけを扱っていましたが、これに感受性タイプの解説動画を取り入れました。
感受性が頭に入ってくると、相手の行動基準がわかりますから、指導や営業折衝、人付き合いなどでものすごく楽になるんです。
私はこれを勉強して以来、いつでもそれを実感しているので、みなさんにもぜひ勉強することをお薦めしているわけです。
絶対損はないです。というか、ものすごく重宝します。