リーダーシップは何をめざすのか?

そもそも、リーダーは何のためにコミュニケーションをするのでしょうか?

そして、その成果はどうやって認識されるのでしょうか?

ところで、コミュニケーションといえば、いわゆる情報伝達といった経営管理、業務連絡的なレベルから、動機付けというような人間関係的な面まで含まれると思います。

私がコミュニケーションと言う場合には、リーダーが(部下を)指導をする局面というのが、私の前提です。

ですから、リーダーコミュニケーションとは、部下のやる気を引き出すためのものと定義しています。

そのコミュニケーションが成功したかどうかは、部下が元気になったかどうかで決まると考えています。

少し変わった見方かも知れません。でも、それは私のリーダーの見方からして必然の答えです。

ところで、指導によって部下を元気にするといった観点から考えると、いくつかのキーワードが浮かびます。

列挙してみましょう。

・自発性の発揮
・承認(認めること)
・成長をうながす
・感応

自発性の発揮とは、L研リーダースクールの人間行動学の根幹的発想です。

人間が最も力を発揮できるとき、最も元気なときとは、自発性を発揮できる体制のときです。

自発性を発揮させるためには、リーダーは部下に自由裁量を与えなければなりません。
また、同時に制約を与えないといけません。

制約が強すぎれば部下は窒息し、弱すぎれば途方に暮れて、リーダーを恨みます。

承認、あるいは長所を認めるといった技術については、L研リーダースクールのコミュニケーション・スキルにあるので省略します。

成長を促す、あるいは成長を自覚させることも大事です。

いつも同じ仕事ばかりやっていては、人間はあきがきます。一方、自分が成長していると感じれば、人はますますやる気が出ます。

仕事の仕組みのなかに、そういったものが組み込まれていると、励みになります。職人の仕事などはそうですが、腕が上がるにつれて、次第に任される範囲が広く、高度なものになります。そういう仕組みがやる気を高めます。

感応というのは、朱に交われば赤くなる、ということです。勇将の下に弱卒無しですね。

特にリーダーの気概はすぐ部下に伝播します。

また、教育に於いては、初級者だけ集めて講義をするのと、経験者に多少加わってもらい初級者向け講義をするのとでは、成果が違ってくるものです。

直接経験者が教えるわけではなくても、ただ彼らの動きを見ているだけでも、初級者が育ちます。こういうのも感応現象といえます。

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