技術志向の限界に早く気づけ!

一般的にいって、30代前半くらいまでは、経営に関する専門技術――営業技術、マーケティング技術、財務技術といった専門技術を志向するものです。

経営戦略でも戦略手法のようなものを覚えたいと思うでしょう。

若いうちは、多くの人が心と体をないがしろにし、専門技術志向になりがちです。

専門技術さえ磨けば、有能なビジネスマンにすぐなれると思いがちです。

そして、それは手法オリエンテッドになるということでもあります。

しかし、それだけでは組織や人間は動かないことが、だんだんわかってきます。

40代を過ぎれば、人間を動かさないとどうにもならないと、わかる人が増えるでしょう。

人間をベースにしないと、結局何事も小手先に終ります。

リーダーシップはもちろんですが、営業技術でも営業トークより顧客の特性を理解することの方が大事だとわかります。

リーダーシップなどは、いくらセオリーを習っても、肝心の相手の特性がわからなければ、すべて絵に描いた餅です。

私がお教えしている『リーダーの暗示学』などは、暗示のスキルをいくら学んでも上達しません。

人間を観察する能力の方がよほど大事で、観察がよくできれば、もう答えを得たも同然なのです。

ですから、本当は若い内から専門技術と並行して人間の勉強をしておくことが、とても有効ですし、役に立ちます。

ところが、若い内はなかなかそういう発想になりません。

まあ、仕方がないのかな、と私は見ていますが。

技術志向はまだ許せますが、ハウツウ指向はもう救いようがないです。

それと、質問すればなんでも答えてもらえるという態度も救えません。

みんな忙しいのですから、いちいち構っているわけにはいきません。

そもそも、自分で調べるような積極的な態度で勉強しないと進歩はしませんね。