欠点をいかに指摘するか
それでは、どういうタイプには欠点を示すことが有効なのか、例をあげながら説明いたしましょう。
技術に非常に自信をもっているにもかかわらず、それ以外のことにはまったく関心がないという、いわゆる技術バカをよく見かけます。こういう人間に、
「君の技術はすごい」とほめてもあまり反応しません。
なにしろ本人は当然と思っているわけですから、当たり前のことをいうなと思うだけです。
では今度は、「君の技術はすごいが、この点がダメだ。そこは改善すべきだ」とけなしたらどうなるでしょうか。
もちろん、それが当たっているのが前提ですが、おそらく彼は非常に興味を示すに違いありません。そして、このような提言をする人物に、一目置くようになるでしょう。
なぜそういうことが起きるかというと、相手の観念をよく理解して、彼の望みが達せられるような情報を提供したからです。
技術者の技術に対する思い入れが深ければ深いほど、この手段はよくききます。彼は示された欠点をなんとしても克服しようと、即座に行動を開始するでしょう。
実は、これは非常に巧妙な暗示なのです。言葉のうえでは、「これが君の欠点だ」と言っているだけなのですが、
知らないうちに「この山(欠点)を越えさえすれば、向こうに幸せが待っている」と、相手の心に期待と希望が想起されるのです。
これが基本型2の欠点をあえて示す暗示です。ただし、これを使うさいには、ひとつ注意点があります。
『リーダー感覚』より引用『リーダー感覚』の詳細はこちら
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