コミュニケーション能力強化対策:人間を見る力をつける訓練

リーダーのコミュニケーション能力を高める通信教育研修を行っているL研リーダースクールの佐藤直曉です。

人間を見る力をつけるための訓練として、私は次のような訓練を行うとよいと考えています。

 (1)相手の行動をよく観察し、
 (2)相手の立場に立って、
 (3)相手の価値観で考える。

以下は拙著『リーダーの暗示学』の引用です。

相手の立場に立っているようで、ちっともそうなっていないことがあるものです。

いや、その方が圧倒的に多いのではなかろうか。

イラク戦争の前哨戦である、1990年夏のイラクによるクウェート侵攻のときである。

テレビのコメンテータたちが、戦争が起きるかどうか、持説を論じ合っていた。

戦争が起きると論じる者は、「力の激突は避けられない」と、主張していた。

一方、戦争にはならないとする者は、「世論調査によれば、アメリカは国民の半分以上が戦争に反対している。ブッシュ大統領(先代)が戦争をするはずがない」と主張していた。

話を聞いているうちに、私はおもしろいことに気がついた。

開戦を予想する者は、口角泡を飛ばす、いかにも熱血漢風であった。

これに対して、避戦予想者は、いかにも学者風の物腰柔らかい人物であった。

彼等の持説と態度はとてもよく一致しているように見えた。

◆相手の価値観を考える
もし読者だったら、戦争が起きるか否か、どうやって判断するだろう。

私だったら、こう考える。

戦争のような国家存亡の時には、決断はひとえに組織のトップにかかってくる。

だから、フセインとブッシュの腹が読めさえすればよいのである。

それには、彼らが子供時代からどういうことをしてきたか、あるいは、逆境時にどんな行動をとってきたかを検討すれば、おおよそのことはわかるはずだ。

大事なのは、相手の立場に立って、その上で、相手の行動価値基準で判断することなのだ。

なぜならば、同じ立場に立っても、行動価値基準が違うと、異なる行動が現れるからである。

湾岸戦争時のコメンテーターたちが犯したミスを、リーダーは繰り返してはならない。

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