2011-01-01から1年間の記事一覧

欠点をいかに指摘するか

それでは、どういうタイプには欠点を示すことが有効なのか、例をあげながら説明いたしましょう。技術に非常に自信をもっているにもかかわらず、それ以外のことにはまったく関心がないという、いわゆる技術バカをよく見かけます。こういう人間に、「君の技術…

欠点を指摘してもよい条件

欠点を指摘しても反発が起きないようにするためには、まず言葉づかいという技術的な問題があります(ここでは暗示というスキルを使います)。もちろん、両者の関係にふさわしい言葉を選ぶのは、言うまでもありません。これは本書を読んでこられたかたには、…

欠点を指摘する訓練

リーダー感覚を実感するには、指導する楽しさを感じるのがいちばんよいと、私は思っています。その点、人をほめる行為は、相手が喜ぶことが多いですし自分も楽しい。それで、これが訓練の基本になると思うわけです。 これに対して欠点を指摘するのは、非常に…

反骨を期待する「叱る」指導が成功しないとき

星野さんが中日の監督をしていたとき、阪神と対戦するのはたいへん楽だったそうです。先に二、三点とったら、それでもうあきらめてしまうからです。阪神の選手たちは覇気がなく、相手の選手に罵声を浴びせられると言い返すこともできず、ファンから理不尽な…

感覚とは快を感じること

どんな仕事でも、スポーツでも、趣味でも、あるいは家事でも、原理は同じです。進歩するためには、感覚がないとダメなのです。 その感覚とはいったいどういうものなのでしょうか。私は、快を感じられるかどうかだと思っています。感覚イコール快ということで…

上達するかどうかは、感覚があるかないかだ

「リーダー感覚」とは聞き慣れない言葉だと思います。ですから、「早く説明してくれ」と、みなさんおっしゃりたいはず。それは重々承知しておりますが、その前に「感覚」について、ちょっと考えてみたいのです。 物事を習うとき、急激に伸びる人もいれば全然…

欠点を指摘するのは難しい

昨日は、欠点を指摘するリーダーの例を示しました。今日は、別の角度からこれについて説明します。以下は拙著『リーダー感覚』の引用です。 リーダー感覚を実感するには、指導する楽しさを感じるのがいちばんよいと、私は思っています。その点、人をほめる行…

欠点を指摘する指導法に合う人・合わない人2

部下をほめない指導者は大勢いる。部下に自分の権力を見せつけようとするリーダーも同様だが、要するに彼らは部下と競争しているのであり、リーダーとしての立場を保つことができていないのである。そういう行動は自分に実力がないことを自覚しているための…

欠点を指摘する指導法に合う人・合わない人

◆野村流指導法に合う人・合わない人 野村さんは、彼の著書のなかで、選手の操縦に成功した人たちの例として三人の名をあげている。江夏、江本、門田だ(二)。いずれもひと癖あるタイプで、人のアドバイスを簡単には聞かないタイプだった。 江夏投手は監督に…

リーダーの人間行動学1

第一章 リーダーの人間行動学概論 リーダーがメンバーを指導するさい、一人ひとりの性格や行動の癖を理解しつつ指導することはたいへん望ましいことである。しかし、これは言うはやすしの類であって、実行するのはなかなか難しい。 もし、あなたの部下が何か…

リーダーの訓練では、リーダーシップが身につく訓練がよい  

本やセミナーで学ぶのは理論ですね。野球にたとえれば、バッティング・フォームの解説書のようなものでしょう。それを読んだだけで、いきなり公式戦に出て、ピッチャーの球を打てといわれても、それは無理というものです。 それなら、どうすればよいか。野球…

説得の手段としての暗示活用

以前、朝日新聞の『三谷幸喜のありふれた生活』というコラムに載っていたもののなかで、たいへん感心したものがありました。それで、私は拙著『リーダー感覚』にこれを引用させていただきました。こんな内容です。ある日、聡美さんが家で台詞の稽古をしてお…

リーダーにとって人間を見る力(人間分析力)はなぜ必要か

本日よりブログの模様替えをして、心機一転です。このブログでは、リーダーに必要な「人間分析力」、「人間行動の理解力」、「組織を動かす能力」を強化するため、どのようなリーダー研修がふさわしいか、人間行動学の観点から考察していきたいと思っていま…

リーダーの仕事:連帯感をつくる

リーダーの仕事として、 成長の機会を与える、仲間意識をつくる、自由度を与える、というのがとても大事だと思っています。今日は仲間意識をつくるということについて触れます。文芸評論家の江藤淳さんが書いた「犬と私」のなかに出ていた文章をご紹介しまし…

観客の気分をコントロールする技術を応用したら

世阿弥の『風姿花伝』には、会場の雰囲気を知ることの重要性が語られている。「おおぜいの観客が集まる演能では、多くの観客がざわめいていて、会場はなかなか静まらない。そういうとき、演者は満を持して観客の静まるのを待つ。やがて、能の始まるのを待ち…

リーダーのなすべきこと

菅さんがなぜ信頼されないのか。公約(ビジョン)をいくら書いても信じられません。単に選挙対策くらいにしか思われないでしょう。そうではないと主張するためには、具体的なアクションプランを示さないといけません。ビジョンとアクションプランが対になっ…

自発性を発揮できる組織をつくる

私は自発性を発揮できる組織がいちばん強いと思っています。目標に対して、全メンバーが自分がやらねばと思っている組織こそ理想です。なかなかありえないことでしょうが。そういうものは、よほど危機感が高まっていなければ起きえないことでしょう。しかし…

成長機会を与える集団作り

企業リーダーでしたら、「成績を上げる」という集団目標の追求以外に、以下の3原則を常に考えるべきだと思います。それらは、組織のまとまりを保つために考えるべき要因です。・仲間意識が感じられる集団づくり ・成長の機会があると感じさせる集団づくり ・…

リーダー研修のあり方について

日経ビジネスオンラインの2011年1月19日号に鈴木義幸氏が興味深い記事を寄稿されています。タイトル:「人の成長は「問い」から始まる リーダー研修には限界と弊害がある」「よく『リーダーシップ研修』が行われています。リーダーとなるべき人たちを1つの場…

サブシステムの連動を用いる訓練をしよう

本日、リーダー研究所のサイトから5冊まとめて拙著をお買いいただきました。ありがとうございました。5冊もお買い上げ頂いた方が、昨日、今日と2日続きでしたので、ほんとにびっくりしました。L研サイトでご購入いただくと、L研クラブ会員に登録され、貴重な…

人間行動学の観点から、知の生産性を高めるには

昨日、リーダー研究所のサイトから5冊まとめて拙著をお買いいただきました。ありがとうございます。L研サイトでご購入いただくと、L研クラブ会員に登録され、貴重な資料がフリーで閲覧できますので、みなさまもよろしかったらどうぞ。さて、本題に入ります。…

辺境の価値

辺境には古い文化が保存されていることが多い。東北や沖縄には古い日本文化の痕跡が多く残っている。そもそも日本自体がアジアの辺境であった。そのため、中国の言語学者にいわせると、日本語は中国語の博物館なのだそうだ。時代の違う中国語が、ごちゃまぜ…

相手の感受性に合った言葉かけの効果

以下は拙著『リーダーの暗示学』からとりました。昭和20年9月、吉田茂が外務大臣に就任してすぐのことでした。このとき、日本を統治していた占領軍司令官のマッカーサーと吉田は初めて会うわけです。昭和天皇とマッカーサー司令長官の会見をセットアップする…

間接的なほめ方

間接的にほめる手段というのは、なかなか応用が広くて、効果も味わい深いものです。たとえば、副社長に「社長が君のことをほめていたよ」と部長さんが言われたらうれしいでしょう。この場合は、実は社長が副社長に言わせているのです。社長から直に言うこと…

組織の動かし方

人は長いものに巻かれやすいを一旦書きましたが、去年書いておりましたので、急遽変更です。私が考える組織のイメージをご説明いたしましょう。◆組織とは何か? 組織には組織の構成要素が必ずあります。私はこれをビー玉の詰まったビニール袋と表現します。…

ほめる技術

今日は拙著『伝動戦略』から、私の体験事例をもってきましょう。ある地方自治体で経営問題の研究会が設けられ、その委員として私にお誘いがかかったときのことです。この研究会の委員のなかに、妙に服装にこだわっている学者先生がおりました。ある日などは…

人を見るにはどのような能力と訓練が必要か

昨日、拙著『リーダーの人間行動学――人間を見る力を鍛える』をL研リーダースクールのサイトからご購入頂きました。ありがとうございました。早速発送いたしました。さて、リーダーにとって「人を見る能力」とは?ひと言でいえば、こんな能力のことです。 相…

リーダーの人間行動学クイズ

船が難破して乗客がボートに乗り移ってきたがボートは満員。誰かが海に飛び込み、泳がなければならない。どうやって説得するか。イギリス人にはこう言うといい。 「ジェントルマンらしく振る舞ってくれ」ドイツ人には 「船長の命令である」イタリア人には 「…

今年は人間行動学の年にしたい

新年おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いもうしあげます。今年は人間行動学の年にしたいと思っています。そんなことを思っておりましたら、昨夜テレビで空海と最澄の説明をしている番組をたまたまみつけました。「たけしの教科書に載らない日…

新年おめでとうございます

[:]昨年は拙著ならびにL研リーダースクールの資料を お買い求め頂きまして、誠に有り難うございます。 今年は内容の充実に一層励む所存です。 どうぞよろしくお願いいたします。 平成23年元旦 佐藤直曉